第45回 初心者でもよくわかる能の世界(後半)

出演者:梅若基徳、吉村珠佳、千草明日翔

先週に引き続き、梅若基徳さんから能について教えて頂きました。

前回の収録後、吉村さんと私は梅若さんが持参してくださった、実際に能の舞台で使われている、女性のお面をつけさせていただきました。
能面はフリーサイズなので、つける人の顔に合わせて小さな布のクッションのような物を使って、真っ直ぐになるように角度や位置のバランスを整えます。
そこから見える世界は・・・とにかく暗い!!
お面の瞳の穴はとても小さくて、指で5ミリの穴を作ってのぞいているようなイメージです。
両目と穴の位置が合わず、片目でしか見れない場合もあるそうです!
その上、お面で顔全体が覆われて熱はこもるし、役によっては動きにくい衣裳や、重いかつらをつけて1時間半も演じ続けるのです!過酷です!

能楽師の中でもお面をつけるのはシテ(主役)のみ。とても貴重な経験でした!

そんな大変なシテも担当するシテ方の梅若さんは、とても気さくでユーモアもあって穏やかな方ですが、色んなジャンルの芸能とのコラボや海外公演で世界中を飛び回る、行動力に溢れた方でもあります。
そして、舞台で活動する多くの人が憧れる、「自分の劇場を持つ」という夢も叶えられました。
能の定期公演やワークショップを開催する時もあるそうですよ。
ぜひお気軽に、梅若基徳さんの「西宮能楽堂」で世界最古の芸能を体感してみてください。
(千草明日翔)