小野大輔さんのコメント

１．ストーリーについて感じたこと

同じ名前を持ちながら、まったく別の人生を歩んだ2人の又兵衛。あの時代だからこその悲喜交交と、抗いようのない運命。そこに生きていた人間の熱量をそこはかとなく、ひしひしと感じられるストーリーでした。

2．読んでみて感じたこと

セリフの躍動感、会話における2人の距離感を意識しました。生きたセリフ、生きた会話になればなるほど、語りの部分との差異も生まれ、相乗効果としてストーリーが立体的に伝わるのではないかという狙いがありました。時代がかった言い回し、用語などが絡み合い、難易度が非常に高い文章でしたが、だからこそやりがいがありました。

3．番組リスナーの方へメッセージをお願いします

朗読することによって、様々な垣根が取り払われて、老若男女問わず誰でもが司馬遼太郎先生の世界を体感することが出来るようになる。素敵な番組です。まだ体感していない方にもぜひ触れていただきたいコンテンツなので、これを機にまた、より多くの人の耳に届くといいなと感じています。

福山潤さんのコメント

１．ストーリーについて感じたこと

幕末の明治維新につながる激動の時に生きる英雄になり損ねた男の物語。 主人公の清河八郎が手にした七星剣が非凡な才覚を持つ彼の野心を後押しし、風雲の時代ならばこその驚きの物語を展開します。 非凡である事を自覚し、凡人を視界に入れない清河の傲岸な性格と女性に対する情と優しさの落差が英雄然としている清河の人間性を魅力的に感じさせてくれます。 新選組が出来る流れも体験しながら、清河の野心の結末をお楽しみいただければ幸いです。

2．読んでみて感じたこと

『川口技研Presents司馬遼太郎短篇傑作選』に出演させて頂きますのは、（SEASON8で演じた作品）「海仙寺党異聞」から二回目になります。 時代小説の朗読に説得力を持って出来るようになりたいと考えていた自分には貴重なまたとない機会を頂いたと思っていました。 それが再び機会を頂けたことに大変感謝いたしております。 私の主戦場となりますアニメーションのフィールドでは現代またはファンタジーの世界が舞台となる事が多く、時代小説のもつ日本語の言葉運びや語彙、馴染みが薄いが故に難しくはありました。 しかしその口に発することの難しさが、なんとも心地よく朗読する醍醐味を感じさせてくれます。 私自身まだまだ未熟ではありますが、聞いていただく皆様に物語へ没頭頂けるよう朗読させて頂きました。

3．番組リスナーの方へメッセージをお願いします

今回私は、「奇妙なり八郎」の朗読を担当させて頂きました。 楽しんで頂くのは聞いていただく皆様なのに、朗読している私が先ず楽しんでいました。 司馬時代小説の世界に多くの方々が触れて頂けますと幸いです。

浪川大輔さんのコメント

１．ストーリーについて感じたこと

男同士の意地の張り合い、騙し合いがおもしろくもあり、かっこよくもありました。
最後の、そうきたか！というオチは誰もが驚くものになっているかと思います。

2．読んでみて感じたこと

今回の題材はある意味ここ数年で1 番苦労しました。なんといっても関西弁！標準語と関西弁がクロスからのクロス！そこにのしかかる文体の難しさ！もう頭から煙出ました(笑)

3．番組リスナーの方へメッセージをお願いします。

歴史あるコンテンツに歴史ある物語。参加できて光栄でした！
日本語の極みみたいな難しい文体ですが、いかがでしょう？

石川英郎さんのコメント

１．ストーリーについて感じたこと

幕末維新の神と言われる吉田松陰が、一時は師と仰ぎ、身の回りの世話や命まで救ったのだからさぞかし素晴らしい人間…かと思いきや高慢で尊大で、全く良い所が無いのにも関わらず、松蔭の偉大さのおかげで激動の時代を生き延びた「富永有隣」の物語です。幕末から明治という壮絶な歴史の転換期の中なのに、どこかユーモラスで、最後まで楽しく感じる事の出来る作品です。

2．読んでみて感じたこと

司馬遼太郎先生の作品の朗読を挑戦させていただくのは3度目で、（SEASON6で演じた作品の）「飛び加藤」以来となります。毎回この朗読に対し自分が作品に感じる素晴らしさや楽しさを、自分の拙い表現力でどう伝えていくか悩みますが、その悩み全てが読み手の楽しさだと思っています。今回も収録日までとても悩み、そして本当に楽しい日を過ごさせていただきました。内容が内容なので落ち着いてというよりポップに読ませていただきました。リスナーの皆様にこの小説の魅力が自分の朗読でどういう伝わり方をするのか、そして時代小説の語彙や言い回しも、皆様の耳から更にわかりやすく変換されれば幸いです。

3．番組リスナーの方へメッセージをお願いします

自分は昔から１ファンとして司馬遼太郎先生の作品を愛読していましたが、実はこの作品は初めてでした、ファン失格ですね…。司馬遼太郎作品は、一度読んでまた数年後に読み返したりすると、最初とは違う捉え方や面白さを感じる事が出来る、と自分は思います。先生の作品をまだ読んだ事が無い方も、この番組をきっかけに興味を持っていただけたら嬉しいです。そして「時代小説を朗読」というこの素晴らしい番組を、これからもお楽しみください。

鈴村健一さんのコメント

１．ストーリーについて感じたこと

新選組の中でも飛び抜けて才能があったと言われている沖田総司の物語でしたが、彼にも挫折というものがあったということが描かれていて、なんだかとっても親しみ深く感じられました。

2．読んでみて感じたこと

今では使わない言葉がたくさん飛び交う文体なのに、不思議なことにしっかりと映像が頭に浮かぶんですよね。景色や匂い、味までも感じられるのは本当に感動的です。

3．番組リスナーの方へメッセージをお願いします。

司馬先生の描く物語に声で参加できて感謝しております。情報量の多い現代に、音だけで物語を感じられるのはむしろ貴重かもしれません。楽しんでいただければ幸いです。

中井和哉さんのコメント

１．ストーリーについて感じたこと

「世が世であれば…」という言い回しはよく使われますが、まさに世が世であったにも関わらず歴史の中心に躍り出ることのなかった秀康の存在そのものに、陰のドラマ性を感じます。出生の経緯ゆえに軽んじられるのは、あの時代仕方のないこととしても、抜きんでた器量や威厳がかえって彼を縛り付けるという人生の皮肉。大きな歴史のうねりの中、主役になり得た人物が若くして消えていく虚しさが印象的でした。

2．読んでみて感じたこと

台詞での展開が過去に朗読させていただいた作品に比べて少ないように感じたので、今まで以上に地の文の小気味よさを表現できるよう、リズム感を意識しました。登場人物に感情を乗せて読み進めるうちに、秀康の物語であると同時に「ある二人の父親の物語」という側面が色濃くなっていった感がありました。

3．番組リスナーの方へメッセージをお願いします。

格調高く歴史の大局が描かれると同時に、父と息子のどうしようもなく複雑な想いの絡み合いも浮かび上がる。味わい深い作品を読ませていただいて嬉しかったです。ぜひ、皆さんにも楽しんでいただければと思います。

関智一さんのコメント

１．ストーリーについて感じたこと

新選組を題材としたお話の中でも、大砲方のお話は珍しいのではないかと思い、まずそこに興味を持ちました。大林兵庫と阿部十郎の物語を通じて、当時の大砲に関する知識も学べ、お話に感じ入ると同時に、知識欲も満たしてくれるという、一粒で2度美味しい作品だと思いました。

2．読んでみて感じたこと

短篇とは言え、朗読でこれだけのボリュームを一気に読み上げる事は、そんなに多く経験できることではありません。まず、その経験をさせて頂けたことが刺激的でした。現代では馴染みの薄い言葉や、専門的な用語を、下読みの際に念入りに調べる。宝探しの様な気分で、夢中になって取り組めました。

3．番組リスナーの方へメッセージをお願いします

皆さん、番組初登場の関智一です。新選組や幕末史が大好きなボクは今回参加させて頂いて、本当に嬉しかったです。心を込めて朗読させて頂いたので、楽しんで頂けたなら幸いです。

竹下景子さんのコメント

１．ストーリーについて感じたこと

武芸者として一流の森要蔵が、自分に甘んじることなく「芸」を一途に追求するところは「自分に勝つ」ために自己を追い込むアスリートのようにも感じました。（オリンピック・パラリンピックの期間だけに）

2．読んでみて感じたこと

今回は浪速言葉から解放されて、のびのび読めました。でも、ちょっと寂しい。（笑）
作品中に米国フェンシング界で活躍した「タイガーモリ」こと森寅雄、東大総長の山川健次郎、講談社を興した野間清治らの名前を見ると、森要蔵父子が戦死を遂げなければ明治の世にどんな活躍をしたろうか、と痛ましく残念に思います。

3．番組リスナーの方へメッセージをお願いします。

おかげ様で、この番組は放送開始から9年目を数えます。これもひとえにリスナーの皆様の応援があればこそ。この場を借りて厚く御礼を申し上げます。これからも魅力あふれる声優の皆さんとともに、司馬先生の豊かな世界をお届けできるよう頑張って参ります。どうぞよろしくお願いします。