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[第625回 大阪放送番組審議会議事録]

 
1. 開催日時 新型コロナウイルスの感染リスクを避けるため、会議室での審議を止め、委員全員に書面参加で対応してもらった。
書面提出の期日を令和2年3月25日(水)とした。
2. 開催場所 上記参照
3. 委員の出欠
委員の総数 6名
※新型コロナウイルスの感染リスクを避けるため書面参加で対応
 
書面参加の総数 6名
書面参加委員の氏名 成瀬國晴 河内厚郎
たつみ都志 鎌田雅子
萩原章男 内田 透
4. 議題
1)『 あなたの人生、読ませてください!~講談師・玉田玉秀斎が挑むホームレスの物語~ 』
2)その他
 
5. 議事の概要
議題1)『 あなたの人生、読ませてください!~講談師・玉田玉秀斎が挑むホームレスの物語~ 』について、番組の企画意図、内容の資料をご覧のうえ、番組を聴取してもらい、書面でご意見を提出してもらった。
 
6. 審議内容
社側 <番組概要・資料を送付>
四代目玉田玉秀斎さんは、2001年、弁護士を目指していたときにたまたま新聞で見かけた講談塾生募集記事を見て、興味を持ち、四代目旭堂南陵さんに入門した異色の講談師です。 「JAZZ講談」「ググル講談」など革新的な講談にも取り組み、東日本大震災の時には被災地で取材を通して講談をつくるなど、いわゆる「講談」の伝統芸能とは異なる活動も行っています。 2019年には、講談を聞くことが社会貢献につながるという取り組みとして、講談会の収益の一部をホームレス状態にある方々に寄付する「ビッグイシュー講談会」を定期的に開催しています。 2020年は、玉田派発祥の地・京都で、京都を舞台にした講談をよみがえらせるべく精力的に講談会を開催しています。 番組前半はなぜ講談師を目指したのか、そして現在精力的に取り組んでいる「ビッグイシュー講談会」にたどり着いたのかを紹介しています。 後半は、社会が抱える問題を物語で伝えるという講談本来の役割を果たすため、ホームレスの方々を取材し、講談を創作する過程を軸に展開します。 ホームレスの自立を支援しているビッグイシュー誌の関係者、またそれを販売する人々に聞き取りする事で見えてきた社会や時代のゆがみがもたらす「孤立」。 なぜホームレスになったのか。 ホームレスの人たちと信頼関係を築き上げ、お話をお聞きし作り上げられた物語。 それは「介護離職」から「ホームレス」という誰にでも起こりうる現実でした。 「ビッグイシュー講談」を通して、今を語る講談師の姿も伝えます。 番組を通して、映像全盛期の時代に音だけですべてを伝える講談とラジオの魅力を再発見してもらうきっかけになればとも考えています。 ※出演者:玉田玉秀斎、和田麻実子(OBCアナウンサー) ※放送日時:2019年5月29日(水)21時~22時 ※追加資料:2019年12月13日(金)京都新聞記事

<各委員の書面でのご意見>
委員 講談について、ホームレスの実情についての両方がわかる番組。神田松之丞(六代目神田伯山)ブームで講談への関心が高まる中、私自身も興味深く聴き入った。 玉田玉秀斎さん、和田麻実子アナの2人きりの進行という立て付けもよかったのではないか。 番組終盤、玉秀斎さんの講談「あるホームレスの物語」は圧巻だった。 独りぼっちの少年時代。 「自分を変えたい」と大阪の大学へ進み、会社でも成功を収めかけたところへ、両親の病とわがまま。 貯金を取り崩し、再就職もできず、安ホテル→ネットカフェ生活→ホームレス。 多目的トイレでの入浴というどん底。ビッグイシューの存在、システムを知り「2年後には住所を持ち、職を見つけるぞ」と再起を誓う…。 ところどころに笑いを交えながら、一人のホームレスの人生ストーリーを見事に描き切った。 熱演が素晴らしく、引き込まれずにはいられなかった。 主人公に感情移入するとともに、講談の迫力、素晴らしさを再確認できた。 ホームレスへのインタビュー、ビッグイシュー日本代表へのインタビューも興味深かった。 無収入、住居ロス、孤立の3要素が重なることでホームレスになる、脱出するには孤独の解消がまず必要だということがよくわかった。 スポンサーが関係しているのか、ビッグイシューに関する説明、意義や素晴らしさのアピールが少し過ぎるような気がした。 考えさせる内容ではあるけれど、言い方は悪いが、やや押し付けがましいような印象を受けた。 番組全体として、折々に短く講談を挟むなど、もう少し講談に寄った作りでもよかったのではないか。 時間的制約のためか玉秀斎さんのプロフィール(講談師になる前の経歴、講談師になると決めた際の具体的なエピソード、力を入れているという京都講談についてなど)が薄く物足りなさを感じた。
委員 聞き終えて、何のための番組だったのかを考えてしまいました。 私のとらえ方は、講談を通して、ホームレスの方が、誰でもがなり得る身近な存在であることを理解し、ビッグイシューの購読によって、ホームレスの方の生活や復帰を支援する方を募る番組であるということでした。 番組名からは、講談師の方の活動が主題となると思っていたので、ビッグイシューの活動を中心に話が進むことに違和感を感じました。 私のとらえ方が正しいとしてですが、講談を先に聞いて、それからホームレスの現状、ビッグイシューの活動という流れであって欲しかったと思います。 講談師の玉田玉秀斎さんの講談は、深刻な人生を聞かせる話として、しかも自分にも起こり得る身近な話題として感じながらも、つらい、聞きたくないという気持ちにさせない、うまさに驚きました。 声も良く通り、プロの技と気概を感じることができました。 昔、カセットテープで落語を聞いていたことを思い出しました。 話芸はラジオにとって、これからも大切なコンテンツになるのではと改めて思ったところです。 講談の良さを伝えたいのか、ホームレスの支援の輪を広げたいのか、最初から番組の目的をはっきりリスナーに伝えていくべきであったと思います。 少なくともホームレスの支援という社会課題を扱う以上、気楽な番組にはなり得ないので割り切った番組づくりが必要だったのではないでしょうか。
委員 いま、神田伯山襲名で講談が注目されています。 タイトルや内容の説明から、とても面白そうな内容だと期待してききはじめました。 ただ、ホームレスを題材にされてことはとても面白そうな内容だとは思いましたが実際の講談がはじまるまでに、講談の説明があって、ホームレス問題の説明があってなかなかメインの講談がはじまらなかったのがもどかしい感じがしました。 最初に解説を全てしてしまうよりも、玉田玉秀斎さんが取材されてつくりあげた今回の講談を聞いた後に、実例と照らし合わせるほうが講談素人の私には聞きやすいし言いたいことも伝わったように思いました。 玉田玉秀斎さんのビッグイシュー講談は、とても勢いがあり面白いものでした。 古典ではないので、言葉もわかりやすく聞きやすかったです。 これを機に古典の講談も聞いてみたくなりました。 講談の世界は、私も注目してますし冒頭にあったジャズ講談なんかもどんな講談なのか興味津々です。 これからも、若い人にも伝統芸をラジオ大阪さんでもっと伝えていってもらえたらと思っております。
委員 委員総論としては、大変面白く引き込まれました。 玉田さんの「普段の声」がとてもソフトで心地よい。 また、話す内容も的確で無駄がなく聞いていて理解しやすかったです。 前半は、講談師とは?という問いかけに対し「難しいものを易しく物語にして語る」説明に納得した。 「はり扇」や「修羅場読み」の質問と実演はリスナーの単純な好奇心を満足させてよかった。 ただ和田さんの紹介の仕方が表面的すぎて、講談師になったきっかけが聞けていない。 審議会の資料を読み「弁護士を目指していた時に、たまたま新聞で見かけた講談塾生募集記事を見て」という具体的でリアルな事情を知った。 これはやはり電波に乗せてほしかった。 後半は、ビッグイシューにたどり着いた行程や、ホームレスの人たちへの取材については、とてもリアルで説得力があった。 そして、それを講談にする苦労なども、よく分かった。 私自身、コロナの影響で多くの講座は休講になる昨今、自宅でくすぶっている人のために「講義」をYouTubeで配信し始めた。 その時になるべく15分で収めようと思うと、枝葉末節を断ち切りながら、内容については、正確さを追求しつつ、演出として「盛る」ことをしなければならないことに直面している。 それだけに、「創作」講談師の苦労が我が事のように理解できた。 佐野さんのインタビューで「孤立」の意味も分かりやすかった。 ビッグイシューとその雑誌の意味も知っていたが、この番組を聞いて雑誌購買などその取り組みに協力しようと思える構成になっていると思う。 最後に、講談そのものについては、主人公「中島すぐる」の数奇な運命がよく分かったが、「介護のため」に故郷の広島に帰ったことに衝撃を覚えたが、居たはずの「妻子」の存在はどうなったのかが気になった。
委員 私は『女紋』の初版本(河出書房新社)を持っています。明治末以後、講談をもとにした人気シリーズの基となる、立川文庫の誕生秘話を描いた、池田蘭子(昭和51年没)の人気小説です。 講談師の玉田玉秀斎が四国の今治で知り合った人妻お敬と駆け落ちして大阪に戻ったあと、お敬の活躍により玉秀斎の速記本を立川文明堂が出版して国民的人気を得ます。 お敬の孫として作者の蘭子自身が登場する『女紋』は昭和35年に出版されて反響を呼び、テレビドラマにもなりました。 その池田蘭子が私の近所に住み、私がこの一族をひろく紹介するイベントを主催したこともあり、そんな縁から旭堂南陽が玉秀斎を襲名するにあたって、彼を池田家へ引き合わせることにもなりました。 玉田家の子孫の了解を取り付けたのは私でした。 その当代の芸風は、昔ながらの講談とはだいぶ違います。 伝統的な講談というより現代講談とでもいうべきか、わかりやすいが、講談特有のアクというか個性を感じさせる芸風ではありません。 まだ円熟した芸ではないということです。 この人のさわやかな人柄によるのかもしれません。 どんな講談師になるかは今のところ未知数ですが、今回のラジオ番組を聞いた限りでは、ホームレスの話は身に沁む内容であり、他人事ではなく、インパクトがあったとは思うし、聞いていて辛くもなりました。 しかし、講談師としては、不満が残りました。 玉秀斎という人は、講談師という枠にはめるより、得意の語学を活用したり、なにか独自の使い方があるのではないでしょうか。
委員 仏教布教の手段である「説教」を源とする芸能のひとつでもある講談は、時代により読まれる内容も親鸞、蓮如、偉人の伝記や残した言葉などと変遷してきた。 もっぱら難波戦記などの娯楽としてのものに馴染んできた私は、数十年前旭堂小南陵(現四代目南陵)の「ルイアームストロング物語」を聴いた時は驚いた。 が、この番組の玉田玉秀斎もマイルス・デイビスなどのジャズ講談や結婚式講談などのほか震災講談というドキュメンタリーレポート講談とも言うべきものへと踏み込んでいて「見てきたような…」ではなく実際の取材に基づいて「見てきた本当」を伝えているようだ。 「次の時代に歴史を残す」と言う覚悟の上の「誇張なし」講談となると娯楽性は薄れる。 語り口調はベテランの域にあるがこのホームレス講談については ・ホームレスについての理解を深めてもらう ・ビッグイシューの歴史(この辺は私の祖父が初めての方面委員だった 成り立ちとつながるが)などを伝えるという利点を感じたが「中島さん」の人生についてリスナーにはどう伝わったか。 和田アナウンサーの「介護離職」の言葉にこれはひとつの例だなとは思った。 このドキュメンタリーレポート講談は歴史の中に語り継がれればいいと思う。 リスナーが想像をふくらませるメデイアとしてのラジオにふさわしい講談を特別番組としたことはわからないでもないが、放送時期が約10ヶ月前のものであることは何か意図があるのだろうか。
社側 貴重なご意見、ありがとうございました。  

7. 審議会の答申又は改善意見に対してとった措置および年月日
なし
8. 審議会の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表内容・方法
及び年月日
・ 「番組審議会だより」 (第625回大阪放送番組審議会議事録の要約)
・ 「愛してラジオ大阪」内で放送
  放送日 令和2年 4月 22日(水)23時20分~23時30分
・ 「番組審議会だより」 (第625回大阪放送番組審議会議事録)
  ラジオ大阪ホームページ(http://www.obc1314.co.jp)に掲載
・番組審議会の議事録の原本は事務局立ち会いのもと閲覧に応じる。
 
以 上